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「やぁ、ガンディール。引取りだね」
「……」
フィレルが笑顔で挨拶をするが、ガンディールは無表情のまま言葉さえ返さない。
その目付きはフィレルを軽蔑し、キースを見かけて訝しげに眉間の皺を深める。
「君は?」
「グレッグの所の新人だって」
「お前には聞いていない」
ガンディールは、フィレルが隣の部屋から持ってきた黒傘を受取り、さっと支払いを済ませる。
ガンディールに対して怯えているキースに、彼はまた声をかけた。
「酒場のゴロツキもそうだが、ドラゴンもどきのこの男とは特に馴れ合わない方が君の為だ。ドラゴンの肉を渡されても手を付けるなよ」
そう言い捨てて帰ってしまう。
キースは訳がわからずフィレルを見ると、フィレルは悲しげな笑みを浮かべている。
「ガンディールはこの街の正規のハンターだ。彼はいつだって正しいよ。ドラゴンもどきの僕を嫌っている所もね」
「……もどきって何か、聞いてもいいですか?」
フィレルは一瞬沈黙したが、ニコリと笑って語り出す。
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