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嗚呼、それは篠突く雨の日の惨劇。 王家の血筋を絶やさんと、狂った魔神が降臨した。 アガナスの神よ、嘆き給え。 今、クレメリアの王城は血に染まり、英傑王は息絶えた。 父なる王を(しい)し、恐怖の王笏を掲げしもの。そは、クレメリアの第二王子。 決して、その名を呼んではならぬ。 赤い瞳の魔王子が、無慈悲な死神を連れて来る。 ──吟遊詩人 ナハスの夜曲より。
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