闘争の朝

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リネルの気位高い物言いに、セイラーンとアリエスは顔を見合わせて笑う。何とも愛らしい巫女だ。生意気だが、憎めない愛嬌がある。 空気が和んだところで──レヴァントは、いきなり本題を切り出した。 「それで?? クレメリアの皇子と皇女が、何故あんな危険な場所にいた? 詳しく、お聞かせ願おうか。」 凄味のある眼差しに射抜かれて…銀の髪の姉弟は、どちらとも無く目線を合わせる。そうして、これまでに起きた悲劇の全てを、打ち明けた。 キャラバンの隊長は、沈黙を以てそれを聞いていたが…状況を把握するや、険しく眉間を寄り合わせて言った。 「つまり。あんた等を匿ったとなると、我がキャラバン隊は、非常にマズい立場になるという訳だ。」 「………。」 「………。」 今度は、姉弟が口を噤む番である。 レヴァントにとって、前皇王の血を引く彼等は『厄介者』でしかないのだ。
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