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大衆の反応は、想像していた通りだった。
…皇后オクタビアは、込み上げる笑いを、扇の向こうに押し隠す。
(そうよ、愚民ども。もっと怒れ、もっと怒れ!)
腹の中で繰り返す、呪詛の言葉。
オクタビアは、くつくつと肩を揺らしている。
愉悦に打ち震える母妃を他所に──リオルドは、再びエイダム卿に促されて、演説を続けた。
「尚、第二皇子セイラーンには、協力者がいる事が判明した。以下の者は、第二皇子セイラーンの謀反に加担した咎で、極刑を言い渡すものである。罪人──后妃エレノア!同じく后妃イルマ、第三皇子ジルベルト!! 以上の三名は、近日中に銃殺刑に処す。次期皇王リオルド・ザラ=クレメンスの名に於いて──!」
刹那。
王宮広場は、割れる様な歓声に沸いた。
「新皇王陛下、万歳!」
「英雄王、万歳!!」
「クレメリア皇国に栄えあれ!」
新王リオルドを讃える声、声、声。
誰もが彼を愛し、敬い、崇めている。
その麻薬の様な幸福感に、リオルドは酔った。
『貧弱な皇太子』から『英雄王』へと呼び名が変わりリ、真実は、虚偽の出来事に書き換えられる。
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