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バタッ!
手首から落ちた紺の傘を拾おうとして、手が傘にふれた途端、傘は短くてボロい黄色の傘に変わっていた。
「えっ!」
よく見るとマジックテープのところに「マカダ ナギ」と書いてある。
私のじゃん。
驚きで言葉が出ない。
小学校卒業した時に捨てたはずなのに。
「なんで?」
私が傘を手に立ち尽くしていると、ランドセルを背負った小学生三人が近づいてきた。そして真ん中の女の子が、
「お姉ちゃん、すみません。それあたしの傘」
「えっあなたの傘?」
「はい」
「名前は?」
「間賀田 凪だよ?」
名札を裏返して私に見せた「あたし」は、ありがとうといい、足早に二人のところにかけよる。
その後ろ姿をつい私は呼び止めていた。
「ねえ、お姉ちゃんが面白いこと教えてあげようか」
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