Close the Nuclear Umbrella

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「……なんだと?」 「今、国内の某所にあるνキャノン二号砲が、この部屋のあんたたちに狙いをつけている。それが発射されれば、あんたたちは中性子シャワーに晒されて即死だよ。軍事関係者なら中性子爆弾って知ってるだろ? その直撃を受けるようなものだ」  そう。  νキャノンの「もう一つの用途」というのが、まさにこれだった。  これは強力な対人兵器になるのだ。しかもどこに隠れても防ぎようがない。地球の裏側からでも使えるスナイパーライフルだ。 「は……ハッタリだ! そんなことができるはずがない!」リーダー格が叫ぶ。  しかし、実のところこれは全くハッタリではない。兵庫県にある理研のSpring-8に併設されたνキャノン二号砲が、こちらから送られている映像を頼りに虎視眈々と奴らに狙いをつけていた。 「そう言うんなら、今から試してみてもいいんだぜ。それが事実だと分かった時には、あんたたちはあの世に行ってるけどな」  俺はニヤリとする。 「……」リーダー格が悔し気にうなだれた、その瞬間だった。
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