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「!」
いきなり彼らが俺たちに向けて走り出したかと思うと、銃を突きつけながら一対一で俺たちに体を密着させる。
「こうしておけば……仮にお前らの話が真実だとしても、お前らも巻き添えになるからニュートリノ砲は撃てないな」
覆面で分からないが、声の調子から、俺を捕まえているリーダー格が笑っているであろうことがうかがえた。
しかし。
これこそ、俺たちが待ちに待った瞬間だった。
俺は長岡と西島にアイコンタクトを送る。
そして。
リーダー格に向けて、俺は渾身の右ヒジを食らわせる。
「ぐわっ!」奴が悲鳴を上げる。
振り返りざまに俺は右ストレートを奴の顔面に放つ。クリーンヒット!
そのまま奴は床の上に崩れ落ちる。
周りを見ると、長岡のローキックからの回し蹴りのコンビネーションが相手の顔面に炸裂。西島は背負い投げで相手を床に叩きつけていた。
「単なる頭でっかちの研究者だと思ったら大間違いだ。俺たちはみな現職の自衛官。戦いの素人じゃねえんだぜ」
失神している奴らには聞こえていないだろうが、俺はそう言っておいた。
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