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「じゃあまたね、ばいばい」  と、そんなやり取りを何度見送っただろうか。  昇降口で傘を持っていない俺は、ただ降り続く雨を眺めながら、帰路につく同級生たちを見送った。  ただぼんやりと立っているだけの俺を、不審そうに見るやつが居ないわけではなかったけれど。そんな目線は気にすることはなく、ただ雨を、過ぎる同級生を眺め続けた。  気を利かせてのことだろう。誰のものかもわからない置き傘のビニル傘を指差した者も何人も居た。  俺はその都度首を横に振って、他人のものは勝手には使えないと返した。そう言うと、それもそうかと全員が納得した様子であったのだ。
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