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「あら……もしかして、またなの?」 「そうです、またです」  そう言うと鞄から一本の折り畳み傘を取り出し俺に差し出した。それを俺は軽く頭を下げながら受け取った。  俺が手にしたのを確認すると、職員用の出入口に先生は向かった。  出たところで待っていると、普通の傘をちゃんと手にした先生が出てきた。 「駅までよ」 「わかってますよ」  そう言って同じ駅へと並んで歩き始める。  駅に着けば借りた折り畳み傘を返して、近くのコンビニで適当なビニル傘を購入する。  これを何度繰り返しただろうか。
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