静寂した夜の月に

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静寂した夜の月に

太一は、船に守られている安心しきっているのか、いびきをかいて寝ていた。 その様子を、妖達も大人しく見ていた。 ーーあの若造の乗っておる船は、どこかおかしいのではないか? ーー然し、我らには手出しできん相手じゃ。神の守りが憑いておる ーーなら、鷲らであの船を見守っておろう。そうすれば、神の礼品が来るかもしれぬ。 ーーそれはいい考えじゃ、そうしようではないか。 そう妖達はいい、太一のことを見守る事にした。 太一はというと、体を起こしてもうすぐ来る逆流の勢いに備えておりました。 ーー妖達の囁きは、木々の揺れる音に同じ。 あぁ、太一はどこへ行くのやら。 神の連れていくまにまに。
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