二.

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 庭があるのだろうか。そう思った亜沙はもう少しで扉の前につくというところで、方向転換をして、家の裏側に続くような細い道を覗き込む。  花が通路の両側にたくさん咲いていて、部屋の中から漏れている明かりからそれらが紫陽花(アジサイ)であることが分かった。 「……さ、斉田さーん」  声をかけてみる。返事はないが、話し声はまだ聞こえる。庭で電話でもしているのだろうか、と亜沙は思い細い道を通り抜けてみることに。  紫陽花だけでなくツタなんかがカーブを描いてのびており、木々とあいまって、自然のトンネルのようだった。  そうして導かれるようにするすると歩いていくと、ひらけた場所に出た。
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