二.

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「そうよ」 「お師匠様、僕はそこまで話してないよ」 「もういいのよこの際」 「はーい」  黙れ、といわんばかりの一言におっかない相手だとでもいうように視線をそらしながら返事をする。 「私もあきらも魔法使いなのだけれど、あなたに包み隠さず話すのは協力が必要だからよ」 「協力? ……私の?」 「そう、人間のね。私はご覧の通り猫だけれど本来はあきらと同じ、ウィザーっていう種族なの。魔法使いってこと」 「ウィザー? 聞いたことないですけど……」 「そりゃそうよ。魔法使いなんていると言ったところで信じる? あなたのような人間は」  亜沙の頭に、叔母の佳奈が浮かぶ。昭和生まれ、はともかくとして、融通のきかないところもややある彼女は、もし亜沙と同じ状況だったら夢か何かだと思ってさっさと帰っているかもしれない。 「信じないと思います」  亜沙が答えると、リーラもそうよね、とうなずいた。 「私はライバルの魔女の魔法で猫になったのだけれど。その魔女が近々この街を魔法で飲みこんで魔法の都、マジカルシティに作り変えるって噂を聞いたのよ。だから引っ越してきたわけ」
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