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「どうしてかりれないのよ!」
「延滞に対するペナルティです」
返却された本を片付けようとカウンターあたりに行った亜沙は、たまたまその光景を見ていた。
利用者、つまり客だったのは金髪の美女だったため珍しいと思ってよく覚えていた。アイメイクもしっかりしていてまつげは長いし、目も二重でまるで外国人のような風貌だった。
佳奈とバチバチ火花が散っている。
「サラさんだけでなく他の方でも、延滞した方にはお願いしていることなので」
「……ふん、二週間ね。いいわ、その間は他の図書館に行くから」
サラさん、と呼ばれた女性はツンとした様子でそのまま図書館から出ていってしまったのだ。
◇
「サラ?」
「サラって言ってました、はい」
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