三.

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「お金をとろうっていうんじゃないの。弱みを握って協力してもらうのよ」 「それを世間では恐喝っていうんですよ」 「もう、ウィザーなんだからヒトの法律がきくわけないでしょ! どうせ忘却魔法使えば忘れちゃうんだから!」 「そんな身も蓋もない……」 「亜沙ちゃん」  あ然とする亜沙にあきらが声をかける。 「お師匠様の言うとおりにしてくれないかな? そのほうが、解決も早いから」 「えー……」 「お願い」  ね、と男性にしてはかわいらしい仕草であきらが両手をあわせて拝んでくる。  彼は背が高い。そんな男がわざわざ亜沙の目線にあわせてうるうると見つめてくる。亜沙は仕方ない、とばかりにうなずいてきらりを見た。 「……で、その、警戒心を利用するというのはいったい……」 「分かってくれたらいいの。ウィザーは耳がいいわ。誰かのそばを通るときとかに、小声でいいから“エクナマガルタ”って繰り返して言ってみて」 「その意味は?」
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