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「“魔法壁を壊せ”、つまり、ウィザーが紛れていた場合、擬態に利用したいる魔法の壁を壊すってことよ」
「亜沙ちゃんは魔法使いじゃないから言葉を呟いても大丈夫。だけど、勘違いして君をなんか……こう、話しかけてきたり攻撃してきたり隠れるようにする人はみんなウィザー。もとい、魔法使い」
―みんなって断定していいのかな……。
と思いながらも、確かにその方法であれば亜沙にとっては簡単に見分けがつくものだ。
「分かった、やってみます。でも夜は手伝いがあるから、行けても二つなんですけど……」
「それでいいわよ。報告は夜に来てちょうだい」
「はい。借りた本とかはどうしたら……?」
「私、昼は寝てるの。図書館の外であきらを待たせてたらいいわ」
「えっ?」
それでいいの、とあきらのほうを見ると当の彼は当然のようにそうだよ、とつけたした。
「荷物持ちやるから、僕」
「わ……わかりました」
こうなっては戻れない。亜沙は理解したとうなずき、改めて協力することを了承した。
◇
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