三.

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「なのに、水城さんは暴力者の肩をもつというのですかっ……」 「こっちに矛先向けないで」 「斉田を手伝ったんでしょう!! 今日借りた本もそうなんでしょう!!」 ―なんだか愛が重い彼氏に詰め寄られてる気分だな……。 「す、すみません」  亜沙はスッ……と白金の腕を離した。彼の拳はとっくに(てのひら)に変わっている。 「というわけなので、本は今日返却していただきます」 「え、あ、んっ?!」 「この袋、このままお持ちしますね」  先程までの愛が重い系彼氏の演技をスッパリやめると、手伝って持ってきていた袋を掴む。  このままではせっかく借りた本が意味がなくなる、と慌てた二人は止めようとした。  そこで出てきたのが―― 「エクナマガルタ!!」  リーラに教えてもらっていた言葉を、亜沙はとっさに白金に向かって言っていた。
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