「なのに、水城さんは暴力者の肩をもつというのですかっ……」
「こっちに矛先向けないで」
「斉田を手伝ったんでしょう!! 今日借りた本もそうなんでしょう!!」
―なんだか愛が重い彼氏に詰め寄られてる気分だな……。
「す、すみません」
亜沙はスッ……と白金の腕を離した。彼の拳はとっくに掌に変わっている。
「というわけなので、本は今日返却していただきます」
「え、あ、んっ?!」
「この袋、このままお持ちしますね」
先程までの愛が重い系彼氏の演技をスッパリやめると、手伝って持ってきていた袋を掴む。
このままではせっかく借りた本が意味がなくなる、と慌てた二人は止めようとした。
そこで出てきたのが――
「エクナマガルタ!!」
リーラに教えてもらっていた言葉を、亜沙はとっさに白金に向かって言っていた。
最初のコメントを投稿しよう!