四.
「……水城さん」
白金が袋を手放す。彼のスラリとのびた右腕が亜沙に向けられた。
「亜沙ちゃん!」
「え、わ、あっ!」
ぐいっ、とあきらに引っ張られ、亜沙とあきらは背中から後ろに倒れ込む。
それと同時に白く、少し紫がかった弾のようなものが亜沙がいた場所を貫いていった。
「え……え?」
「亜沙ちゃん、大丈夫?」
「は、はい……」
きょとん、とする亜沙を抱き起こしたあきらが耳元でささやく。
「……急いで僕の家に行ってお師匠様を連れてきて」
「え? でも、お昼は寝てるって」
「いいから」
困ったようにうろたえる彼女に、あきらはそう言って立ち上がった。
「……まさか、お二人がウィザーだとは」
クックッ、と喉の奥で笑うような声をもらした白金は二人のほうを向く。
「私も、ウィザーなんですよ」
「……町中で魔法使っていいのか?」
「ええ。あなたたちを殺せば目撃者はいなくなります、から!」
白金が今度は両腕を突き出す。その掌から、白く青みがかった筒にも似た太い線が勢いよく放たれた。
「斉田さん!」
亜沙は思わず駆け寄る。あきらはそれを見て驚いたように目を見開いた。
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