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「亜沙ちゃん、物知りだね」
「そうですかね? ありがとうございます」
少し嬉しくなった彼女はフフ、と笑いながらお礼を言う。
「そのクイーンが……リーラさんのお家を襲いまして。そこにいたのが、斉田あきらと名乗るあなた―……キサラさんです」
「あ」
ギクリ、とした様子であきらが身じろぐ。
亜沙はあきらのウィザーとしての名前がキサラ、であることに興味津々だった。
「キサラさん、というんですね」
「うん……あんまり好きじゃない」
「どうしてですか? 私はいい名前だと思いますよ!」
「そう? ありがとう」
亜沙の褒め言葉に、あきらがふにゃりと笑う。そんな笑顔を見た彼女は思わず、成年男性を見てかわいいと思ってしまった。
「キサラという少年をかばって猫になってしまったリーラさん。行方不 明になり、死んだとも噂されていましたが……生きていたとは」
「……居所不明なら、襲われないからって、お師匠様が」
名前を言わなくてごめんね、と亜沙に謝りながら頭をかく。彼女は気にしないで、と軽く首を横にふった。
「……言っておきますが。私が、サラさんがクイーンであることをお伝えしたのはあなた方が初めてです」
「それは、えっと……」
「……協力します、ということです」
「!!」
白金の思わぬ申し出に、亜沙もあきらも目を大きく開きながら嬉しそうに笑った。
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