「……そんなに本を読むのが好きならネットカフェとかもあるでしょうに、なんで図書館なんですか」
「ネカフェはね、僕の行く場所じゃないんだよね」
「…………はい?」
「図書館だから、来てるんだ」
ニコニコと彼が笑う。言葉の意図がつかめず、亜沙は先程とはうってかわって眉間にしわをよせた。
―何が言いたいのかな?
「と……、とりあえず、今日は帰ってください。ゴネてもペナルティは変わりませんから」
「そんなあ」
「一ヶ月くらいすぐたちますって」
「僕と会えなくても平気っていうの?」
「死にはしません」
「うぐぅ!」
外はすでに真っ暗だ。あと一時間で閉館するし、そろそろ本の片付けをしたいのが正直なところだった。
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