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「いやぁ、まだ五月だと言うのに今年は暑いったらないなぁ!柴山君」
先生が額の汗を拭きながら空を見上げて大声を張り上げた。
「確かに、この時期にしては異常な暑さですねぇ!」
私も先生の意見に賛同する。
ここは北海道・札幌の歓楽街。
ゴールデンウイークも終わり、あと少しで六月というこの時期の日曜日…
私は先生から『お呼ばれ』を受けて、とあるカフェのオープンテラスで昼日中から二人でビールを酌み交わしていた。
いやはや…
本当に今日は暑い。
例年、五月の札幌と言えばまだ日によっては肌寒く、オープンテラスでビールを飲むなんて事は、滅多にやらない。
しかし、今年は状況が違った。
まさに異常気象と言っても過言ではないのではないだろうか。
渡辺淳二先生は目下、精力的に活躍中のミステリー小説家で、私は先生の担当編集者である。
大変有り難い事に、先生は私の事を大層、気に入ってくれ、時々こうして仕事を離れプライベートで二人して食事や飲み会に繰り出しているのである。
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