彼女の雪

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 ある雪が降った日。 「…何か面白い話ない…?」 部室にて持ってきた本を読み終えて暇を持て余した私は、斜め前の机で何か書いている後輩に訊ねてみた。邪魔して悪いとは思うけれど、退屈は精神衛生上よろしくない。健康を保つ為には仕方ない事なのだ…。 よく出来た後輩たる吉田ちゃんは作業を中断して私の方に向き直ると少し考えた素振りを見せて笑顔を浮かべた。 「一つありますよ。…私の家の近くの公園での話ですけれど…」 そこから始まった彼女の話は以下のようなものだった。
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