誰が傘

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誰が傘

僕が家に帰っても母さんはいつも通り傘に向かって「三瑞、またこんなに散らかして~もう母さんが片付けるけど次は自分で片付けてよ」なんて言って楽しそうに傘と会話をしている。 当然傘が散らかす訳もなく母さん自身が散らかしてそれを片付けてといった毎日をあれからずっと続けている。 僕はそんな母さんに始めは話しかけていたが僕には関心なく話しかけても僕はいない… そんな対応で悲しくなってしまうので今はもう話しかけていない。 邪魔にならないように自分の部屋のある2階へ素早く音をたてないように駆け上がる。 もう何年もこの生活を続けているので音を立てないようにサッと階段を駆け上がる動作はお手の物だ。 大きな音を立ててしまうと母さんはパニックになり収拾がつかなくなってしまう為家では出来るだけ大きな音を立てないように生活をしている。
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