音の無い生活

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音の無い生活

2階の自分の部屋で過ごす時間も気が抜けない。 勉強をするにも本を読むのにも大きな音を立てないように注意してする必要があるからだ。 前に机からノートをドサドサっと落としてしまった時母さんはパニックになってしまい傘と共に家を飛び出してしまった。 その後探しに行ったが見つからず数時間後に知らない人と一緒に帰ってきた。 無事に帰ってきた安堵感から一緒にいた人にお礼も言えず結局未だにどこの誰なのかすら分からないままだ。 この事もあって家では極力音を立てない生活をしている。 音楽を聴く場合もヘッドフォンかイヤフォンが欠かせない。 そんな生活で唯一僕の支えとなっているのが友達の存在だ。 友達とスマホのメールやアプリで会話をする。 ほんの些細な日常が僕にとってはとっても幸せな時間になっている。 今の僕はこの友達との他愛の無い時間があるから何とかやっていけている。 しかし、このささやかな時間も長くは続かない。 もうそろそろ夕飯の時間になるからだ。
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