狂拳童子

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「新入りだな」 誰かの一言をきっかけにして数十の瞳がこちらを向いた。 鋭い殺気がひしひしと伝わった。 だけど、俺には温い。 これくらいならずっと浴びてきた。 だから慣れている。 それでもそれ以上に気分が良い。 もっと、もっとたくさん向けろよ。 無意識のうちに俺は笑ってしまった。 弱いヤツらが必死になっているのはおかしかったからだ。 ゆっくりと右手で手招きをして指を差した。 「来いよ、殺してやるから!」 無数に迫った拳も蹴りも。 鈍く光る刃も。 俺を満足させてはくれなかった。 「オラァ!」 背後からパイプ椅子で殴られた。 だけど、これくらいで倒れたりはしない。 「な、何でだよ......?」 驚く相手の顔面を振り返りながら殴った。 「ヒャハ!ヒャッハァ!」 「ヒャハハハハハ!」 もっと、もっと...... 俺を殺したいんだろ? ならもっと...... 「後先考えずにやれよ」 奪い取ったパイプ椅子で何度も殴り黙らせると、周りに動いている人間はいなくなった。
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