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「そういえば、リベック射撃訓練は終わったのか?」
そう問われたリベックは上着の下、左肩に付けている小さなリボルバー拳銃をそっと触ると、
「いえ、今日はまだです。キアナ先輩が起きてからにしようかと思って」
「………今すぐ叩き起こせ、さっさと訓練を済ませてこい」
「え?良いんですか?僕まだ書類が終わってないんですけど……」
「いいから、さっさと済ませてこい」
と言われて席から立ち上がると、ソファで寝ていたキアナを起こす。
「キアナ先輩、起きてください!これから銃の射撃練習に行きますよ!!」
「んーふえ?なんて言ったのー」
「射撃練習です、これからやりますよ」
「んーそっか、じゃあやろうかー」
大きく伸びをするとキアナは大きな欠伸をした後、ゆっくりと立ち上がってもう一度伸びをした。そうしてリベックに向き合うと、
「銃の訓練かー………のんびりやろうかー」
「のんびりでなくてもいいんですけどね」
そうしてリベックとキアナは一緒に第三十五部署を後にすると、片隅に隠れる様にあったエレベーターに乗り込むと地下十四階のボタンを押した。暫くの間無言が続き、キアナは欠伸を繰り返した。
そうして地下十四階に着くと、上階ではシンプルでもデザインされた空間が広がっていたが、ここはコンクリートが剥き出しの状態でエレベーターから近い場所にある扉を開くと、そこには映画で見るような場所が広がっていた。
射撃場だ。
キアナが自分用とリベック用の銃弾の用意をすると、二人揃ってイヤーマフをして、懐から取り出したリボルバー式の拳銃を両手で持って狙いをつけて数発撃つリベック。同じようにキアナも上着の下から取り出した大口径のリボルバーで的を狙う。キアナは片手で数発撃つ続ける。
基本ゾーロから言われているノルマは三百発。
それをこなすべく、リベックは銃を撃つ続けるのだった。
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