お昼は盛り蕎麦くらいがいい、山葵は少しで。

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結果として、意味のある会話が出来ぬうちに通話は佐藤の方から切られ、翼は小さく舌打ちをした後に、番号が残ったままのスマホの液晶をみて、リダイヤルをしようとしてその手を止めます。 繋がるかもしれませんが、水前寺がいる場で電話をしたとしても、逆に翼の方が心配されるという状況が容易に想像出来て、やや乱暴にスマートフォンを懐にしまいました。 (元々、夢から延長して出て来たかどうか訳の分からない存在頼ろうと思った事が間違いなんだ、そうだ、先ず何にしても、芽生ちゃんを六時までに見つけないと―――) 水前寺がリミットをつけましたが、日頃芽生に接しているカウンセラーの早乙女が公開捜査で探す出す事が、結果的に為にならないというのなら、翼としては"おまわりさん"としてでもある事は否めませんが、18時までに探し出す事が最善だと考えます。 「―――水前寺せんぱあ……いっ?!」 そして、芽生を18時までに捜そうとする決意を、自分に代わって交番に訊ねて来た人物の対応をしてくれている水前寺に行おうと思い振り返り、視界に入って来たのは、いつの間にか交番にいる白黒の美形(イケメン)、勅使河原と阿久津の姿となりました。 勅使河原と阿久津が先程のノックの訪問者の正体なのでしょうが、現在白黒の美形(イケメン)は真新しいスマートフォンで水前寺と赤外線通信をしている状態に、声が出ずにいたなら先輩の方が固まっている後輩に気が付きます。 「あっ、佐藤さんとのお話おわった?」 「おっ、終わりましたけれど、一体何しているんですか?。というか、お前達、携帯にスマホを手にするの早すぎないか?!」 最初は水前寺に語り掛けていましたが、以前に携帯を機種変更する際に5時間ほど待たされた覚えがあるのに、多分携帯ショップの開店当時と共に入ったとしても、3時間も過ぎていないのに真新しいスマホを手にして姿を現わしている事に驚愕をさせられていました。
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