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おやつは300円まで、消費税も込で。
「もう、3時か……」
交番勤務の下番まで残り2時間を切っても、普段は胸元にしまっているスマートフォンを"連絡待ち"と理屈をつけて、交番の机の上に置いておいても連絡があるのは、アプリの報告や、この周辺を回っている勅使河原と阿久津の連絡位の物でした。
昼休み後、翼が佐藤からの突然の電話に戸惑っている内に、先輩・水前寺と白と黒の美形の間で行われていた事は、概ねカウンセラーの早乙女さんと交わしていた情報交換と同じ様なものと知ります。
勅使河原の方がカウンセラーの名刺を持っていたことで、阿久津がスマホを購入した時点で連絡をしていたらしく、しかも学校関係者が望む"大袈裟にしないで芽生を捜す"というのを手伝うとなっている様でした。
『まあ、何にしても俺達がつばさっちの、"従兄弟"って事で簡単に信用して貰ったというのもあるんだけれどもね~』
『有態にいえば、"おまわりさんの親戚が変な事をする筈がない"というのを利用した訳ですが』
黒い美形阿久津は兎も角、白い美形の勅使河原の物言いにやはり"ムッ"とする物を感じつつも、それが真実の内の1つでにあると考えている内に、時間が勿体ないとして早々に動き出します。
「この付近にはいないのかな……」
昼の休憩から2時間ほど進んんで、そろそろ小学生や中学校なら帰宅部の児童生徒が下校する時間になるので、登校の時の様に交番に前に立つ為にスマートフォンを手に取ります。
「……あいつら、不審者扱いはされないと良いんだが」
翼が口にするアイツらは、勿論、白と黒の美形の勅使河原と阿久津になるのですが、口では心配する旨を出してはいますが、不思議と彼等は不審者としては認識されず、多分普通にこの界隈に暫く休暇で住む事になるおまわりさんの従兄弟としてあっさり受け入れる様子が容易に想像出来ました。
何かしらの漫画で読んだような"美形無罪"という、おまわりさんと一般的な平凡な成人男性としては、許しがたく受け入れ難い事象がさっくり起きてしまいそうな予感に思わず、口元を"へ"の形にしていたなら、"おまわりさん、さよーならー"と明るい子どもの声が耳に入って来て、慌ててこちらも返事を行います。
その中には芽生とも共に行動をしていた、クラスも同じだという仲良く帰る男女の児童を見かけて軽く言葉をかけてみたなら、やはり芽生は学校に来てはいないという風に話てくれました。
この児童2人は比較的芽生と仲が良いらしく、先生がに友達が休んだ理由を尋ねるといった事もしていたらしく、風邪を引いていると話して貰っていたと聞きます。
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