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理沙がようやく夏休みを取れたのは、十月になってからだった。こんな時期に夏休みをとっても一緒に遊ぶ相手がいないので、理沙は実家に帰ってのんびりすることに決めた。
「あら、理沙。痩せたんじゃない?」
久しぶりに顔を合わせた母親にそう言われた。
「うーん、そうかな? 体重測ってないからわかんない」
「ごはんはちゃんと食べてるの?」
「毎日残業だから、コンビニばっかり」
「何だか顔色も悪いし、体は大丈夫なの?」
「大丈夫だよ」
ちょっと散歩してくる、と言って理沙は家を出た。
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