我らが筑波

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 理沙がコンビニの駐車場に辿り着くと、車から降りた幹人が手を振っていた。二人はコンビニで飲み物を買い、店の外で立ち話をした。 「俺、転職したんだ」  缶コーヒーのプルトップを開けながら幹人が言う。 「どうして?」 「いやー、なんていうか……。都会の仕事に疲れちゃったかな」  幹人は冗談めかした口調で言いながら、コーヒーに口をつけた。その軽い口調が、深追いされることを拒んでいるようにも思えた。 「そっかー。私も仕事疲れちゃった」 「西村さんは何の仕事してるんだっけ」 「旅行代理店。ツアープランナーになりたくて就職したんだけど、現実は厳しくて」  理沙はペットボトルのほうじ茶を飲んだ。 「厳しいってどんな風に?」  自分の話はしないのに人の話は聞きたがるのかと思いながら、気づけば仕事の愚痴が口をついて出ていた。幹人は「そりゃひどい」「えー、大変だね」などと言いながら理沙の話を聞いていた。愚痴をすべて吐き出してしまうころには、コーヒーもほうじ茶も空になっていた。
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