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「はいー」扉を開けて賢人のお母さんが出て来た。
「阿佐比奈です。賢人くんいますか?」僕は賢人のお母さんに言った。
「零二くん。ちょっと待ってね。賢人、零二くんが来てるわよー」賢人のお母さんは賢人を呼んでくれた。
僕は賢人が来るまでの間、胸がドキドキした。
「おー。零二、ありがとう。コテツを散歩させる前にちょっとファミカンやっていかないか?」賢人は家の中を指差した。
ファミカン?!
僕は思ってもみなかった提案に嬉しくなった。
「いいね。やらせて」僕は賢人について、家に上がった。
賢人の家は酒屋と一緒になっている。
廊下を渡るときに酒屋の様子が見えた。
賢人のお母さんがピンクのはたきで酒屋の中を掃除をしていた。
「コテツの散歩はもう少し後なんだ。それまで零二とちょっと遊びたいなと思ってさ」賢人は言った。
僕も遊ぶのは大歓迎だ。
僕は賢人の部屋に入った。
部屋の正面にテレビが置いてある。
さすが酒屋の息子だ。
子供部屋にテレビがあるのは羨ましいと思った。
ファミカンのカセットが部屋のいたるところにある。
あぁ、僕もこんな家に生まれたかったな。
賢人はテレビのスイッチをつけた。
テレビにファミカンの画面が映る。
ファミカンが上手くて有名な棚田名人が主人公のアクションゲームだった。
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