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山奥の暗雲立ち込める下。
朽ちかけた廃屋・・・まるで城のような豪邸は、見るも無残な醜態を晒していた。
廃屋と化した豪邸の中には無数の野犬達が屯し、要塞化していた。
「それは本当か?」
「そうです!!あの裏切り者のプードル姫も一緒に居ました!!」
「『セルポ』か・・・風の噂じゃ、猟犬時代にハンターに反逆して血祭りにした豪傑まな。
俺の『闘犬』の血が騒ぎますぜ・・・へへへへへへ。」
咬み傷だらけの軋むソファーに居座る王様・・・土佐犬。名前は無い。
寧ろ、『魔犬』と呼ばれる事でその存在を他の犬達に恐れられていた。
この土佐犬が『魔犬』と呼ばれる経緯は、実は前の飼い主が飼いきれなくて捨てられた憤りに、次々と人間を襲い警察沙汰になったからだ。
その悪評が野犬達を間に知れ渡り、世の人間だけでなく野犬達にも震撼させる『魔犬』として君臨してきた。
『魔犬』にこの城に強大な権力を握っているのは、そんな『悪行』が人間に捨てられたたり虐められてきた野良犬達が神格化させられたのも一因でもあった。
「おーい!腹へった!!肉はねぇのか肉は!!」
「『魔犬』様、お気の毒ですが・・・1匹も・・・」
「う~~~~~~~~うがああああああああああああああああああああああ!!!!」
バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!
「おーい!!背中のダニがうぜえから、駄礼か背中を掻けや。」
「『魔犬』様は糞臭いし、寄るだけで鼻が・・・」
「う~~~~~~~~うがああああああああああああああああああああああ!!!!」
バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!
「『魔犬』さん、あのぉー・・・」
「う~~~~~~~~うがああああああああああああああああああああああ!!!!」
バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!
「ホント、本音。『魔犬』様は我が儘ホーダイだな。」
「う~~~~~~~~うがああああああああああああああああああああああ!!!!」
バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!バキッ!!ボカッ!!ガブッ!!
・・・王様が不在な事をいいことに、その場を流浪してきた『魔犬』の奴が居座ったせいで・・・この城の秩序はメチャメチャだ・・・!!
・・・この城の纏め役であるセラ王女は、『魔犬』のワイセツ行為から逃亡して行方不明だし・・・
・・・誰かあの『魔犬』を倒して、平和な元の城に戻せる勇者は何処・・・?!
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