3#無頼猫アル登場

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 「ん?!」  野犬のセルポは目を覚ました。  「んんんん・・・ぶっ!!な、何?!俺・・・猫にマウスピースされて・・・キスされてたのかよ!!」  「『猫』が『犬』助けて悪いのかよ!!」  目の前には、ぜえぜえと肩で息をしている身体中傷だらけのマダラの目の座った野良猫が仁王立ちしていた。  「おいおい、恩を仇で返すのかよ・・・俺はそういうの大嫌いだぜ。」  「ごめんごめんすいまへん!!た、助けてくれてすいまへん!!」  何度も土下座する野犬のセルポにの肩に、ポンと脚の肉球を乗せるとその野良猫はこう告げた。  「俺は泳ぎが得意でね。肺活量も他の猫には負けねぇぜ!!  あ、俺はひとよんで、『無頼猫のアル』だ。後は宜しくな。」  アルと名乗る野良猫が去る前に、野犬のセルポは呼び掛けた。  「あ、他に1匹・・・俺ともう1匹の犬が・・・」  「ああ、助けたぜ。こいつの息は犬としてはスィートだった。じゃあな。」  野良猫のアルは、舌舐りするとその場を立ち去った。  野犬のセルポの傍らには、ぜえぜえはあはあと舌を出して荒い息をするずぶ濡れのプードル犬が座っていた。  ・・・ふつくしい・・・  セルポはうっとりとして、そのプードル犬に顔を近付けようとたとたん・・・  「キャーーーーーー!!」  「な、なあに?!お、俺は別に!!疚しい事なんか!!」  「助けてーーー!!誰か助けてーーー!!」  「だから!!俺は別に・・・」  「はっ・・・!!」  「はっ・・・!!」  その時、ふと野犬のセルポとプードル犬と目があった。  「私・・・にけできたの!!どなたか知らないけど・・・助けて!!」  「ちょっと!!何処から逃げてきたんだ?!それが解らんと・・・!!  それに、何処の誰なんだ?君は!?」  プードル犬は口をつぐんだ。  「だから・・・君は何処の・・・!」  「ビックリしないで聞いて!」  「うんうん。だから誰?」  「本当にビックリしないで聞いて!」  「だから、誰なの?」  「本当ーーーーに!ビックリしないで聞いて!!」  「だから誰なんだよ?!」  「私・・・」  「はいはい。」  「お城の王妃なの。」  「はい・・・ええええええええええええええええええええええええ?!」    
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