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ぼくとおねえちゃんは、年が離れている 「そんな恰好じゃ、風邪ひくよ」 「野菜も食べないと、」 「ちょっと待った!忘れもの。」 おねえちゃんは口うるさくて、まるでお母さんみたいだ 「ねえ、ちょっときて~!」 でも、そのわりには頼りなくて、困ったときは必ずぼくを呼ぶ 「もう、こんな時間じゃん、ほら、早く寝ないと」 それなのに、そんなのずるいよ ぼくは知ってるんだからね。 おねえちゃんが最近、毎日、遅くに帰ってきてること 「ちょっときて~」 「はぁ…。今度はなに~?」 「はい、これ、あげる。」 「え、これ…」 うんざりした顔で、顔を出したぼくに、おねえちゃんが差し出したのは ずっと欲しがっていたおもちゃだった 「欲しかったんでしょ。たまたまみつけたから、ちょっとバイトがんばってみた」 恥ずかしそうに笑う顔は、なぜか、ぼくより嬉しそうで だから嫌なんだ おねえちゃんはいつだって、 自分のことは後回しで、ぼくのことばっかりなんだから
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