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第一章 箱庭の少女
──私がいつから此処にいるのかは分からない
物心ついた時にはもうこの恐ろしく広い屋敷の中にいたのだから──……
「美織さま、おはようございます」
「…おはようございます」
みおり──それが私の名前。
「今日の御召し物は此方にしましょうね」
「…はい」
ずっと私の世話をしてくれるこの女の人の名はしおりさん。
「まぁ…美織さま!」
「…どうしたの」
「まぁまぁ……とうとうこの日が来たのですね!」
「?」
しおりさんが少し戸惑いながらも感慨深げに私の体を眺めた。
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