第四章 無自覚な魔性

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いつもと同じ柔らかな唇の感触と大きな掌の中で形を変える乳房の気持ちのよさに身悶える。 「んっ」 「気に病むことがあれば言え」 「…はぁ……だ、旦那さまぁ」 「なんだ」 「……お願いします…今夜は…今夜こそ…私に旦那様を…」 「……」 ゾクゾクとせり上がって来る快楽の波に負けないように私は息も絶え絶えに伝えた。 「旦那様の……を…私の中に…」 「どうした、突然」 「……」 旦那様が少し訝しむような表情をした。だけど私を攻める指遣いは止まる事無く奥深くまで濡れている中をクチュクチュと音を立てながら弄っていた。 ──五年前のあの夜、初めて旦那様から受けたキスから私と旦那様の関係は変わった 旦那様から受ける熱く甘い愛撫は私の体中を巡り、そして触られると何ともいえない気持ち良さを感じる場所があるというのを知った。 私も旦那様も生まれたままの姿になり、私にはないモノを持っている旦那様がそれを使って私に施した行為は私をいやらしいものへと変化させた。 だけどそれが決して嫌ではない私は旦那様から教えられる行為をどんどんこの体に吸収して行った。
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