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「美織から全てを訊いた」
「!」
「いや、訊くよりも先におまえの行動は全てお見通しだったが」
「…お得意の監視カメラですか?」
「そうだ。あの屋敷でカメラが無いのは水回りぐらいだ」
「相変わらず抜け目のない事で」
「おまえだって承知の事だろう。──何故美織に手を出した」
「手を出す…かぁ。正しくない表現ですが心証的には正しいんですかね」
「おまえ、本気で俺から美織を奪えると思ったのか」
「……」
「俺を敵に回してもおまえには何の得もないだろうに」
「……」
「逸人」
「…隆壱さん、あなた本気なんですか?」
「何がだ」
「本気で美織ちゃんを愛せるんですか?」
「……」
「あなたは目的達成のためだけに美織ちゃんを利用していたんじゃないんですか?」
「……」
「美織ちゃんはあなたと……あの人のために連れて来られた生贄なんじゃないんですか?」
「黙れ!」
殺気を放った雰囲気に一瞬にして鳥肌が立った。
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