第五章 渦巻く疑念

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第五章 渦巻く疑念

「──どういうこと?」 「どういうことも何もない。ただもう美織の家庭教師は終いだという事だ」 「……」 其方から連絡する事など滅多になかった。だからいざ連絡をもらった時はどうしたって嫌な予感しかしなかった。 小田桐不動産本社ビルの社長室。入室したのは初めてではなかったけれど、今日ほど此処に運ぶ足取りが重かった事はなかった。
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