02・そして始まる

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……………誰も喋ろうとしない。 とりあえず、俺から話しかけるしかないだろう。 どうして俺がこんな場所に連れてこられたのか、なんで女装をさせられているかなどの疑問を問う。 そうじゃなければ、この痛いほどの沈黙を破ることなど出来ないのだから。  「あの俺はなぜこのような場所に連れて来られたのでしょうか」  「ああ……本当に娘のミシェルではないのだな」  「本当ね……でもミシェルにそっくり」 なんか話が噛み合っていないような気がする。 元父に元母も何か違うような?  「うん、君になら任せられる」  「??????」 元父は満足そうに何度も頷いている。 いや、どういうこと? 俺がよく分からないという顔をしているのを見かねてか、老執事が助けを出してくれた。  「旦那様。もう少し、詳しいお話された方がよろしいのではないでしょうか。  こちらのお嬢様が困っております」    「……ああ、そうだね」 どうやら、ようやく元父が話してくれるらしい。 ありがとう老執事よ。ただ、俺はお嬢様ではないが。  「初めましてになるのかな?私はアルケーニア・エリーズ  この国の公爵家の当主にして、宰相の職を持っている者だ」  「私はヴァリエーミ・エリーズ  隣のアルケーニアの妻よ」
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