02・そして始まる

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「いろいろ聞きたいことがあるだろうが、細かいことはお願い事を頼んだ後に話す。まず簡単に言おう」 「はい」 「君には死んだミシェルの代わりを務めてほしい」 「?!」  ミシェルが死んだ?!  そんなはずはない!!!    現在シュヴァリエ王国暦1745年。  ゲーム通りなら王子に憧れ、父に王子に会いたいとねだっている時期だ。もちろん体調は良好で気に入らない事があるとメイドや執事などに当たり散らしているはずだ。 「君が驚くのも無理はない。  見ての通り私たちは公爵家、さらに私自身は宰相という職につき、かなり地位のある人間だ。そんな私たちがなぜ死んだ娘の代わりを見つけなければならないのかと」    いや確かに驚いた。  俺の今の顔は目が飛び出ているんじゃないかってぐらい見開いているし、口も開いている。  まさにポカーンという音がお似合いの顔になっているだろう。  っていうか、びっくりするのは当然として……なんでいくら似ていると言っても、赤の他人のしかも男の俺を身代わりに立てるんだよ。  もっと適役な人材ぐらいいるだろ。  そもそもなぜ身代わりが必要なんだ? 死んだことを隠す必要があるか?  今世の公爵家はどうなっているんだ!
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