第七話:死神教授と帰って来た覆面ホッパー

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第七話:死神教授と帰って来た覆面ホッパー

 「死神教授!今日という今日は決着をつけてやる!」  うん、正確にはこれで23回目、今月だけで3回目だね。相変わらず暑苦しいねぇ。  諸君は「再生怪人は大抵弱い。」と言う法則をご存知だろうか。然り。吾輩も遺憾ながら、この俗説は正しいと言わざるを得ない。だが考えて欲しい。再生怪人須らく弱し、となるのであれば、況や再生ヒーローをや。となるのもまた必然ではなかろうか?  二度目の直接対決から、もう吾輩には覆面ホッパーの攻撃パターンが読めていた。ゆえに、それなりに苦戦は強いられたものの、最後は自爆で相打ちと言う結果は免れた。まあ、それでも結果として通算三度目の義体交換を強いられたのではあるが。  然してそれ以降はもう、吾輩にとって赤子の手を捻るようなものであった。最近では戦闘員に相手をさせても楽勝なレベルである。が、とにかく何度でも何度でも、しつこく蘇っては挑み掛かって来るので始末に負えない。こう言うのを世間ではウザ絡みと言うらしいが、まさにそれである。  厄介なのは、どうやら先方も吾輩同様、義体に人格データをインストールしているらしいと言う事実である。それは何度か撃破時に爆発四散しているにも関わらず、性懲りも無く復活する事からも明らかであった。  それでも当初は、吾輩も敵の陽動作戦を疑わない訳ではなかった。あるいは我々を油断させるだけさせておいて、いつか最大最強フォームに変身して攻撃してくるのではないかと。しかし、物事には限度というものがある。あちら側だって予算というものがあるだろう。そう言えば、最近ではパーツの劣化さえも見受けられる始末だ。  こうなれば、打つべき手は一つしか無い。と言う訳で、吾輩はついに重い腰を上げる事を決意したのだった。
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