平成元年

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 それから高梨は一軒家を購入し、残金で生活しながらじっくりと条件の良い仕事を捜した。就職活動に時間を費やすことが出来たのが奏功して手堅い職を得ることが出来た。それから飲み屋で知り合った女と付き合い、とんとん拍子に話は進み、結婚して娘を授かった。  命で買い取った金はおよそ尽きた。  だが高梨は、多少短くなった老後のための貯蓄ならそこそこあればよいだろう、ここからが俺の人生、花道だと悦に浸っていた。
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