ー 敵討ち 強ぇ〜のなんのって ー

1/1
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ

ー 敵討ち 強ぇ〜のなんのって ー

丑三つを過ぎし日が昇る頃にはその者達数名が箱根のお山を早走りにて降り候也。 昼丑の刻にはお山降りし者が帰り候也! 『頭、野郎は箱根湯本の藤見屋に手下二人と逗留中』 『若けぇの、早よ急ぎませい!』 源四郎、三度笠の数名と湯本藤見屋で待つ事一刻也! 藤見屋出たる、瀬名吉三郎一行見つけ、飛び出たる源四郎! 『ヤァヤァ、ここで有ったが仏の情け、勇尋常に勝負・勝負』 『笑わしよるは、この小童、若の手を汚さずとも、ワシが一思いにて切り裂いてくれるは!』 『イヤサァー、お待ちなせぇ、若侍一人に大の大人が、情け無い、縁も所縁も無気にしが、見るに見兼ねしその処遇、加勢させて、頂きやす!』 この三度笠が強かった、アッと言う間に取巻き二人を切り裂いた! 残りし『瀬名吉三郎』! ヒョイと一人が、飛び出して刀を振り回しが、その戦法、念流にて破茶滅茶剣法也! 瀬名吉三郎の膝を狙いしその戦法、瀬名吉三郎後ろ後ろと下がりしが崖っぷち! 変わって出たのが大男、一刀両断にて、瀬名吉三郎を斬り殺したる! 代わってまたヒョイと出たし小男、倒れし、瀬名吉三郎の首を慣れた手つきで落としたるが如し也! 『ホレ、お若けぇの~この首持って國にお帰りなさい!』 源四郎、三度笠の一行に深々と頭を下げたり、『して、そちら様御一行のお名前は』と聴きしが、答えず、笑いながら箱根の山を登って行き候。 源四郎、三度笠一行が見えなくなるまで頭を下げし也!
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!