あやかしの家 ~ある意味、呪われた夢~

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   月の美しい晩。  ほとりが、いわくつきの蔵を開けると、中には物がぎゅうぎゅうに詰まっていて、今にも落ちてきそうになっていた。  すると、後ろから、鼻につく物言いをする男の声が聞こえてきた。 『とりあえず、必要なものがなくて困るくらいまで、一度物を減らしてみたらどうだ。  なんだ、この家は。  ジャングルか?  いやあ、不出来な嫁で、困ってるんですよ、ほんとに』  不出来で、いらない嫁なら、もらってくれなくて、よかったんですけどーっ!  後ろに居る男に向かい、叫んだほとりは、ぱちりと目を覚ました。  今、なにか叫んだ気がする、と思いながら。  木の天井だ……。  一瞬、何処に居るのか、理解できなかった。  今、前の夫に怒鳴り返したところだったからだ。
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