第1章 花嫁選び・第二日目

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 それから3時間ほどして、あたしのところに従僕が来て、あたしの謁見の順番が次なので控えの間にお越しくださいと告げていった。  あたしは窮屈なドレスを着ているにもかかわらずお腹がすいてきていたし、もういい加減待ちくたびれてもいたので、さっさと立ち上がって控えの間に向かった。    ドレスの後ろの裾をたくし上げて持ち、あたしの後ろを小走りについてくるアンナは「思ったより早うございましたね」と小さく言った。  控えの間で待つほどもなく呼ばれる。  従僕が巨大な扉の前で「カロラング・アンティオ王国、エレオノーレ王太女殿下」と大きな声で告げ、二人の従僕が二枚の扉の取っ手を持って呼吸を合わせて手前に引く。  巨大な扉の向こうに広い謁見の間が広がり、あたしは正面中央の玉座に向かって、赤い絨毯の上をしずしずと歩みを進める。  無駄に広い部屋の、奥にある玉座はやけに遠い。  王様のお顔は、垂れ下がったカーテンで隠れてよく見えない。  ああ、面倒くさ…  あたしはため息をつきたくなる気持ちを押し殺し、王侯貴族が立ち並ぶ中をまっすぐに正面を見据え、歩いて行った。  近づくにつれ、玉座の横の奥に立っている王子が見えた。  オズワルド王子と…エセルバルド?!  何であんたまでいるのよ!
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