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メッセージボトルの中身は・・・?
盛り上がった飲み会も終わり、朝5時にお店前で解散。さて、のんびり帰ろうかと思ったのですが、後ろから肩を叩かれました。
「しろっち、もう帰っちゃう?さっきの話気にならない?」
振り向くと鈴木さん(20代男性)が、いたずらっ子のように笑いながら立っていました。「鈴木さん!知りたいです。どうなったんですか?っていうかなんでまだ倉庫にあったんですか?」
私たちはそのまま向かいの24時間営業のファミレスになだれこみました。
席に着くなり彼は、「いや~、まだあのボトルがあるとは思わなかった。うち、残業禁止じゃん?なぜかっていうと、まぁぶっちゃけ変な現象が起きるからなんだよね。そのきっかけが佐藤バイヤーの持ってきたそのボトルなんだわ。」
話はこうだった。店頭に並べたその日から、怪現象が収まらず、店内の雰囲気も悪くなってきたそうです。不穏な空気を察してかお客さんもだんだんと減っていき、いよいよヤバイとなった時に、当時入社したての鈴木さんの知り合いに、いわゆる見える人がいたそうで来てもらったそうです。
彼女は店に入るなり、まっすぐにボトルのそばに来て、「これをすぐここから下げてください。人の目に付かないように。」
鈴木さんは、「とりあえずお店に来てほしい、その場で説明するから。」と話したそうで、何も知らないはずなのに。「やっぱり、、これって何なんですか?」と聞くと…
「この中には、拷問されていた人が助けを求めるために血で書かれたメッセージが入っています。でも、もう無残にも殺されています。」と。
それだけではありません、船上で殺された人、事故で溺れて死んだ人など、さまざまな人の念が海を漂い、ボトルに吸い込まれるように凝縮されていったそうです。そしてその無念の想いが怪現象を生んでいると。
「対処法とかはないんですか?塩をまくとか?」とバイヤーは聞いたそうですが、海外の人の念でよく分からず、しかも一人ではないため、対処のしようがなく、打つ手はないと言われたそうです。
彼は震える手で、ボトルを持ち上げ、そのまま倉庫の一番奥の棚にしまい込み、「海」のディスプレイも片付けて通常のプロパー商品を並べなおしました。
次の日からは、いつも通りの毎日が戻って来たそうです。怪現象もおさまったかのように見えて、お客さんも戻ってきました。河合さんも、鈴木さんもこれで一安心だねぇなんて言っていたそうですが・・・。
数日したら今度は、佐藤バイヤーが会社に来なくなってしまったそうです。
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