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絶対に忘れない。
忘れられない。
とめどなく押し寄せる快感の波も。
震えるほど優しく私を辿る彼の手も。
どこまでも深く溶け合った夜。
お互いだけが全てで。
世界から隔離された白いシーツの中。
魂を抱きしめてくれた彼は。
確かに。
そこにいたのに。
私を呼ぶ甘い声も。
とろける唇も。吐息も。
確かに。
そこにあったのに。
どうして。
一瞬の幻みたいに。
泡沫の夢みたいに。
弾けて。消えた。
あの日の彼は。
もう。どこにもいない。
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