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夜のしじま※
シローは鏡を見た。
等身大の鏡には、下着を身に着けた自分が写っている。
(女性モノなのにぴったりっていうのは複雑だな・・・)開き直って穿いてみると、サイズはぴったりで、そのあたりもアレクが測ったのだろうか、と疑問が出る。
「シローいいか?」アレクから声がかかる。
(はー。なんか、今更だけど、誓って俺は変態ではないから。アレとは違うから。)シローは答えて、アレクが部屋に入ってくる。
「違うな。」
「は?」
アレクはシローにベットに越しかけるよう言い、シローの着ていたタンクトップを脱がせてしまう。
そして、シローが苦労して穿いたショーツの横紐を解くと、手を性器の上にかざす。
「何・・わっ、冷たっ」一瞬シローの下半身を水のような冷たさと、風が通り過ぎ、アレクはまた元通りに紐を結ぶ。
「よし。」アレクは非常に満足した顔で頷く。
「何がよし!だ。」わけがわからないシローは思わず自分の股間を見るが、そこで驚く。
「・・・毛が無い。」一瞬の間に、下の毛がなくなっていた。それはもう、綺麗さっぱり。
おかげで、白い肌は強調され、下着が綺麗におさまっているかのように見える。もちろん、陰茎を押さえつけているメッシュ部分はとても卑猥だが。
「シロー」アレクはベットから離れると、椅子に腰掛け、ベットの上のシローを観察する。やはり自分の選択に間違いはなかった、と感嘆のため息すら出るほどだ。
「シロー、少しポーズを取ってくれないか。今夜の記念を記憶しておきたい。」アレクは言う。
「・・・ポーズっつったって・・・」毛が無くなったのはショックだったが、確かにこの下着には無いほうが美しいのだろう、だが、そんな感覚わかりたくもなかったが。シローはやれやれとアレクに向かって足を開脚する。パレオが良い具合に股を隠し、うっすら透けて見える下着がセクシーだ。女性ならば。
「これでいいか?」
「・・・どうも違うな。淑女らしさが欲しいな。貞淑な、そう、夫意外に抱かれたことのない女の。」
「んなの知るか。どういう設定だお前の脳内。」一体何をやっているのだろうか、とシローは思う。
「今夜は清純がテーマだ。」
「テーマあるのかよ!」思わず突っ込んでしまったが、相変わらずの変態ぶりに笑えてくる。
「じゃー、物語の騎士のように跪いて寝台に上がる許しを得るか?」シローは馬鹿らしくなり、ベットに座りなおす。下半身は直接シーツに当たるため、ひやりとした感覚が身体に伝わる。
「・・・お前は皇子だもんな、そんなこと・・・」できない、と続けようとしたらアレクはベット際に跪いた。
「おい、やめろよ。」
ふ、と顔を上げた青い瞳に全身が囚われたように思えた。
「許されるのならば、あなた様からのくちづけを頂けますか?この哀れな僕めに。」戯曲の台詞のようにすらすらと出てくるこいつは何者なのか。
(これは絶対シェルの所為じゃなく、元々の性格だ。断言する。)
シローはどうしたらいいかわからず、アレクの額にキスをする。
「寝台に上がっても?」くすり、とアレクが笑う。
シローが頷くと、アレクは寝台のシローの前に座り、シローの手を取り口付ける。
シローはそのまま手をアレクの服のボタンにかける。そして、アレクの服を脱がしていく。
「・・・シローは美しいな・・・」上着をすべて脱ぐと、アレクの筋肉質の上半身が顕わになる。少しためらった後、シローはアレクのベルトに手をかけた。
ズボンを下すと、すでにアレクの肉棒は勃起していた。シローはごくり、と喉を鳴らす。
「まずは、口付けから教えましょう。舌を出して。」
「アレク?」アレクは先ほどの芝居を続けるようにシローに言う。シローは言われた通り、舌を出す。
そこへアレクの舌が絡まり、深く口付けていく。
「・・・んっ・・ふぁ・・・む・・」長い口付けは角度を変えて何度も訪れる。そして、だんだんシローはいつものように『アレク』に酔ってきた。
ようやく唇が開放されると、シローは吐息をつく。
「俺は・・・おかしい・・・」アレクの唇が首筋から下がって行くのにシローはつぶやく。
「なぜ?・・次は胸です・・」アレクはシローの胸をゆるやかに揉む。その感覚がくすぐったくて、シローは身をよじる。
「・・・男なのに・・・感じて・・」アレクが乳首を捏ねる。
「っ・・・ふっ・・あぁん!」
「感じるように抱いている・・・当たり前だ・・」そう言ってアレクはレロレロと乳首を舐め、しゃぶる。
「あっ・・・はぁっ・・」シローはたまらず、声を漏らす。ぐりぐりと押さえられるとそれだけで、下半身がずぐり、と疼く。
「シロー、パレオを上げて。・・・私に、お前をよく見せて。」アレクはシローを腕に抱くと、シローの口に軽くキスをする。
「・・・は・・・」先ほどまでは何でもないことだったのに、アレクの香りに包まれている今、パレオをめくることがとても恥ずかしい。シローはうつむきながら白いパレオの端を指先でつまんで、持ち上げる。
「・・足はこちらにかけて。そう・・いい子です。」アレクは胡坐をかいた上にシローを乗せると、足を開かせ、自分をまたがせるように座らせた。そして、シローの背を支えていた手を下に下していき、パレオの上から、指を穴に触れさせる。
「っん・・」前はアレクに見られ、シローの陰茎は下着のレースを押し上げ立ち上がっていた。鈴口からは既に汁が零れ落ちている。
「ああ、キスだけで感じてくれたのですね・・今日はここも濡れてる・・・」アレクは口調はそのままに、シローの穴のさらに先にある新しい穴を触る。
「んぁ!!」びくん、とシローが背を震わす。
「・・ここはまだ準備が必要ですから、今日は使いません。ただし、私の専用の蕾ですから、他の方に触らせないでくださいね。」アレクそう耳元でささやいてもう一度穴を撫でる。
(・・・濡れてるのか・・)シローは新しい穴から出た液がパティオを濡らし、尻穴までしっとりと濡れているのを感じた。
不安定な体制なので、シローはアレクの腕にしがみついていたが、アレクはシローの足を引き寄せ、お互いの性器が触れるところまで腰を触れさせた。
それで、またシローがびくり、びくりと身体を跳ねさせる。
アレクはシローの尻の穴にパティオごと指を突っ込んだ。
「っんぁああ!」既に、シロー自身の液によりぬるぬるであったため、挿入は困難ではなかった。
「っんっ・や・・ざらぁらする」シローの中に異物が擦れ指の関節を動かしたことにより、さらにそれは深まった。
「んぁああっ・・」アレクがシローの乳首に噛み付くと、パレオごとシローの中に入っている中指がきゅっと締め付けられる。パレオは液とまじりあい、シローの中から抜けないので、そのままアレクは指を増やして行く。
「んあぁっ・・あぁはぁあっ」正面からされる口付けはとても優しいのに、下の穴をかき回す指は明らかに意思を持っており、シローは涙を零す。
「・・・泣かないで・・」アレクはささやきシローの涙を唇ですくう。
「・・ちが・・気持・・イイから・・」シローはこれは歓喜の涙なのだと、アレクに言う。
「もっと良くなりたいですか・・?」アレクは言う。シローは元気な顔も好きだが、泣き顔も可愛いと思う。そして快楽にゆがむ顔はもっと好きだ。
こくり、とシローが小さく頷いた。
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