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その人に会ったのは、たった一度きりだった 「なにをしてるんだい?」 「流れ星をまってるの」 ひとりで星をみていたら、ふいに隣から人の気配がして、僕は、空をみたままこたえた 「でも、全然、みれないの」 「そうか、流れ星をみれたら、なにを願うんだい?」 「ひとりは嫌、だから、僕をひとりにしないでって」 不思議だった。他の人とこんなに話すのは初めてなのに、言葉がスラスラでてきて、この人になら、なんでも話せる気がした 「しってるかい?流れ星は、思いが強すぎても、弱すぎても、きてくれないんだ」 「不安とか、焦りとか、見栄とか、そういうものを全部、なくした透明な願いでないと」 「だから、まずは、自分のできることを探して、やってごらん、そのあとに、残った願いがあれば、きっと、流れ星がきてくれるよ」 僕が横を向いたとき、隣にはもう誰もいなかった ずっと空をみていたから、僕はその人の顔も、名前もわからなかったけど それから積極的に周りに声をかけるようになって、僕は見事、ひとりを脱した それでも、僕は変わらず、流れ星をまっている、あの人に、もう一度会うために
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