読み手の独白

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読み手の独白

 古い、遠い昔の本を僕は開く。臆病な自分に勇気を与えるために。 大切な君が死んだ。その君を助けるために、僕はこの本を読む。城の奥深くに仕舞われていたナナソルの回顧録を。  聖なる鯨を殺した呪われし王の記録を。  愛しい姫君たる君の命を守ることができるのであれば、僕は呪われてもかまわない。  この命にかけて、君を救おう。
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