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夕闇が、ゆらりと揺れ動く。
ざわめきが静まり、石畳の道に人の影が見える。
足音はしない。
この儀式は、ある一族が暮らすある村の恒例となっていた。
一族に生まれた子供が十歳になったら、儀式は行われる。
簡単に言うとここは作られた目的や大体の構成が神社に近い場所で、祠には一族に伝わる宝がまつられていた。
儀式の日には祠の前に紙がしばられたいくつもの棒から成る「紙神妖具」と呼ばれる道具のようなものが用意され、中央の棒に宝がかけられる。
紙神妖具に掛けられた宝____石のついたブレスレット___は、かすかな星明りをうけてゆらめくような光をうかべていた。
けずり、磨き、星形に加工された黒い石は、金属製のブレスレットにぶらさがり、強い風にゆれながら十を迎えた子を待っていた。
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